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グリーグ「ペール・ギュント」— 「朝」と「山の魔王の宮殿にて」

グリーグ「ペール・ギュント」は、イプセンの戯曲のために書かれた劇音楽。さわやかな「朝」と、トロルの宮殿に迷い込む「山の魔王の宮殿にて」を中心に、聴きどころと楽しみ方を整理します。

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「さわやかな朝の音楽」と「だんだん速く・大きくなって、最後にドカーン!となる音楽」。実はこの2つ、同じ作品の中にあります。ノルウェーの作曲家**エドヴァルド・グリーグ(1843-1907)**の「ペール・ギュント」です。

「ペール・ギュント」はもともと、同じノルウェーの劇作家イプセンの戯曲のために書かれた劇音楽(劇の場面で流す音楽)。のちにグリーグ自身が、聴きどころをまとめた管弦楽組曲に編み直しました。物語の場面と結びつけて聴くと、音楽がぐっと生き生きしてきます。この記事では、有名な2曲を中心に聴きどころを整理します。

どんな曲?

主人公ペール・ギュントは、ほら吹きで夢見がちな若者。山や外国を旅して、トロル(北欧の伝説に出てくる妖精・怪物)の世界に迷い込んだり、はるか遠い土地をさまよったりと、波乱万丈の冒険をします。最後は年老いて故郷に戻り、ずっと待っていた恋人ソルヴェイグのもとへ……という、長い人生の物語です。

グリーグはこの劇のために多くの曲を書き、そこから**「ペール・ギュント」第1組曲(作品46)と第2組曲(作品55)**を作りました。下で紹介する名曲は、この組曲に入っています。

子ども向けの聴きどころ

「朝」(第1組曲より)

フルートとオーボエが、夜明けの光がさしてくるように、やさしい旋律を交わし合う1曲。だんだん明るく広がっていく感じが、まさに「朝」。CMや目覚まし、学校のチャイムなどでもよく使われる、だれもが一度は聴いたことのある名旋律です。

ちょっとした豆知識ですが、劇の中でこの「朝」が流れる場面は、ノルウェーの朝ではなく、はるか遠い砂漠の夜明け。「朝=すがすがしい光」という普遍的なイメージが、世界中で愛される理由かもしれません。

「山の魔王の宮殿にて」(第1組曲より)

ペールがトロルたちの王(山の魔王)の宮殿に迷い込む、スリル満点の場面の音楽。最初はそっと、低く静かに始まり、だんだん速く・大きくなって、最後に爆発するように終わる——この「じわじわ盛り上がって一気にクライマックス」という構成が、子どもの心をつかみます。「トロルがどんどん近づいてくる!」とイメージしながら聴くと、ドキドキが倍増します。

「オーゼの死」「ソルヴェイグの歌」

物語のしっとりした場面の音楽もあります。「オーゼの死」はペールの母を見送る、弦楽器の静かで悲しい曲。「ソルヴェイグの歌」は、ペールを待ち続ける恋人の、優しく切ない歌。にぎやかな曲とのコントラストを感じさせると、音楽の表情の幅が伝わります。

おすすめの聴かせ方

  • 3〜6歳: まずは対照的な「朝」と「山の魔王の宮殿にて」の2曲から。「静かな朝」と「だんだん速くなる追いかけっこ」という分かりやすさが入口にぴったり。
  • 小学生: 物語のあらすじを伝えてから、場面ごとに曲を聴く。「いま物語のどこ?」を考えながら聴くと、集中力が続きます。
  • 体を動かして: 「山の魔王の宮殿にて」は、テンポが上がるのに合わせて足踏みを速くしていく遊びが盛り上がります。

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よくある質問

Q. 「ペール・ギュント」はバレエですか? A. いいえ。もともとは「劇(お芝居)」のための音楽です。そのお芝居の場面に合わせて流す音楽を、グリーグが作曲しました。のちに演奏会用の組曲にまとめられています。

Q. 「朝」はノルウェーの朝を描いたのですか? A. すがすがしい朝のイメージで知られますが、劇の中でこの曲が流れるのは遠い砂漠の夜明けの場面です。曲そのものは、どんな「朝」にも合う普遍的な美しさを持っています。

Q. 「山の魔王の宮殿にて」のトロルって何ですか? A. 北欧の伝説に登場する妖精・怪物のような存在です。物語では、ペールがその王の宮殿に迷い込み、追いかけられる場面の音楽になっています。

Q. どこから聴かせるのがいいですか? A. 性格の違う「朝」と「山の魔王の宮殿にて」の2曲からがおすすめ。気に入ったら「オーゼの死」「ソルヴェイグの歌」など、静かな曲にも広げてみてください。

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