kodomo-ongaku
作曲家

ブラームスを子どもと聴く — 子守歌と舞曲

「ブラームスの子守歌」で知られる作曲家は、激しいハンガリー舞曲や骨太な交響曲も書きました。21年かけて交響曲第1番を仕上げた遅咲きの巨匠の生涯と代表曲を親子向けに整理します。

5 分で読めます

この記事は AI が下書きを作成し、kodomo-ongaku 編集部が事実確認と編集を行っています。参考文献は記事末尾に記載しています。 編集方針

「ブラームスの子守歌」という言葉を聞いたことのない親はほとんどいないでしょう。でも実は同じ作曲家が、跳ねるようなハンガリー舞曲や重厚な交響曲も書いていると知ると、少し意外に思うかもしれません。

ヨハネス・ブラームス(1833–1897)は、やさしさと力強さを同時に持つ稀有な作曲家です。しかも最初の交響曲を完成させるまで21年かかった「慎重すぎる完璧主義者」でもあり、その背景にある逸話は子どもへの話題にもなります。

ブラームスってどんな作曲家?

ブラームスは1833年5月7日、ドイツのハンブルク生まれ。幼い頃から音楽の才能を示し、貧しい家庭ながら港町のダンスホールでピアノを弾いてお金を稼ぎました。20歳のとき、作曲家ロベルト・シューマンに「生まれながらの音楽家」と絶賛されて楽壇に紹介され、一躍注目を浴びます。

音楽史でのブラームスの立場はユニークです。バッハやベートーヴェンの厳格な構造美を受け継ぎながら、ロマン派ならではの豊かな感情表現も持ち込む——「伝統の守り手」としてのロマン派作曲家。新しい音楽のあり方を模索したリストやワーグナーとは対立的な立場に置かれましたが、ブラームスは自分の道を最後まで貫きました。

生涯の大半はウィーンで過ごし、1897年4月3日に肝臓がんで亡くなりました。63歳。亡くなる数ヶ月前まで作曲を続け、晩年のクラリネット作品は今も室内楽の名作として愛されています。

子どもに聴かせたい代表曲

1. 子守歌(ヴィーゲンリート)Op. 49 No. 4(1868年出版)

「ぐっすりねむれ ぐっすりねむれ」のメロディといえばピンとくるでしょうか。原題は**「ヴィーゲンリート(Wiegenlied)」**、「ゆりかごの歌」という意味です。

この曲が生まれたきっかけは、ブラームスの旧友ベルタ・ファーバーが二人目の息子を出産したこと。友人の喜びを祝う気持ちを込めて書かれたこの曲は、3拍子のゆったりとした揺れが特徴で、赤ちゃんをゆりかごで揺らすような動きが音楽に組み込まれています。

未就学の子どもには「この曲、知ってる?」「ブラームスっていう人が、お友達の赤ちゃんのために作ったんだよ」と伝えると、具体的なイメージが広がります。

2. ハンガリー舞曲 第5番(1869年出版)

テレビCMや映画でもおなじみの、あの跳ねるような激しい曲。ブラームスが21曲まとめた『ハンガリー舞曲集』(WoO 1)のなかで、もっとも人気の高い一曲です。

元々ピアノ連弾(4手)用に書かれ、後にオーケストラ版が作られて広まりました。一点だけ正確に伝えると、この舞曲集のほとんどはブラームスが一から作曲したものではなく、ハンガリーやロマのメロディをアレンジしたものです。第5番の元のメロディは、ベーラ・ケーレルというハンガリーの作曲家の作品でした(ブラームス自身は民謡だと思っていたようです)。

「チャルダーシュ(csárdás)」というハンガリーの踊りに由来するこのリズムは、急に速くなったり遅くなったりする独特の揺らぎが特徴。子どもが体を動かしながら聴きたくなる曲です。

3. 交響曲 第1番 ハ短調 Op. 68(1876年初演)

指揮者ハンス・フォン・ビューローは、この曲を**「ベートーヴェンの第10番」**と呼びました。ベートーヴェンが交響曲を9番まで書いたその先に、ブラームスの第1番が続く——という讃え方です。

初演は1876年11月4日、ドイツのカールスルーエ。ブラームス43歳のときで、最初のスケッチから数えると約21年がかかっています。長くかかった理由を表す有名な言葉があります:「あの大巨人(ベートーヴェン)の足音が後ろに聞こえるのに、どうして自分に交響曲など書けようか」。

第4楽章に登場する歌うような長い旋律は、誰もが「どこかで聴いた気がする」ほど親しみやすい。小学校高学年以上の子どもなら、このクライマックスに引き込まれることがあります。

おすすめの聴かせ方

年齢別の入り口

  • 0〜3歳: 子守歌をBGMとして、あるいは親が口ずさんで。音楽の認知発達への具体的な効果は科学的に限定的とされていますが、親子が一緒に音楽を楽しむこと自体に価値があります。
  • 4〜6歳: ハンガリー舞曲第5番を一緒に聴いて、体を動かす。「速くなった!」「ゆっくりになった!」と変化に気づかせる遊びを。
  • 小学生以降: 交響曲第1番の第4楽章(約15分)に挑戦。「43歳まで21年かけた」というエピソードを添えると、子どもの聴き方が変わります。

「遅咲き」の話を添える

ブラームスが最初の交響曲を書くのに21年かかったという事実は、急がなくていい、時間をかけていいというメッセージを子どもに自然に伝えます。習い事に壁を感じている子どもへのさりげない励ましになるかもしれません。ただし大人が語るより、子どもが音楽を聴きながら自分でそう感じる場面を作るほうが、より深く届きます。

関連リンク

  • ロマン派の音楽全体の流れは /articles/romantic-music-for-kids で整理しています。ブラームスの立ち位置もわかります。
  • ブラームスが「第10番」と呼ばれるほど意識したベートーヴェンについては /articles/beethoven-for-kids で。
  • ハンガリー舞曲が実際に演奏される公演は 地域から探す から見つけられます。
  • ブラームスの生演奏が聴けるファミリーコンサートは /events で「ロマン派」「室内楽」のタグから探せます。
  • ブラームスの作品を演奏する演奏家や楽団は /performers でどうぞ。

よくある質問

Q. ブラームスの子守歌は、いつ・なんのために書かれましたか? A. 1868年に、旧友ベルタ・ファーバーの二人目の息子の誕生を祝って書かれました。Op. 49 No. 4として出版されています。

Q. ハンガリー舞曲はブラームスが作った曲ではないのですか? A. 多くは「既存のハンガリー・ロマのメロディをアレンジしたもの」です。第5番の元ネタはベーラ・ケーレルという作曲家の作品でした。ただし、ピアノ4手やオーケストラ用への編曲はブラームスの仕事です。

Q. ブラームスは他にどんな曲を書きましたか? A. 交響曲4曲、ピアノ協奏曲2曲、ヴァイオリン協奏曲、室内楽(クラリネット五重奏曲が特に名高い)、200曲以上の歌曲(リート)などが有名です。「ドイツ・レクイエム」(Op. 45、1868年初演)は合唱曲の傑作として知られます。

Q. 子どもがブラームスを弾くには、どの曲から? A. ピアノ初中級では子守歌のアレンジ版から入れます。本格的なブラームスのピアノ作品(間奏曲集 Op. 118など)は上級者向けです。「聴く曲」と「弾く曲」を分けて考えてください。

Q. ブラームスとベートーヴェンは同じ時代の人ですか? A. いいえ、ベートーヴェンは1827年に亡くなりましたが、ブラームスが生まれたのは1833年です。ブラームスはベートーヴェンを直接知らず、その音楽から深く学んだ「次の世代」の作曲家です。

近くの公演を探す

都道府県別に、子ども向け・親子向けの音楽公演をまとめています。

地域から公演を探す →

関連記事