kodomo-ongaku
作曲家

ヘンデルを子どもと聴く — メサイア・水上の音楽とバロック

ヘンデルはどんな作曲家か。バッハと同じ1685年にドイツで生まれ、ロンドンを拠点に活躍しました。「ハレルヤ」で知られる「メサイア」や「水上の音楽」など、代表曲と生涯を親子向けに整理します。

5 分で読めます

この記事は AI が下書きを作成し、kodomo-ongaku 編集部が事実確認と編集を行っています。参考文献は記事末尾に記載しています。 編集方針

「ハレルヤ!」と合唱が湧き上がる瞬間、会場の聴衆が全員立ち上がる——ヘンデルの「メサイア」には、そんな伝説的な習慣が伝わっています。音楽を聴いて思わず立ち上がりたくなるほどの高揚感とはどんなものか、子どもと一緒に体験できる数少ない曲の一つです。

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685–1759)は、バッハと同じ年に同じ国(ドイツ)で生まれながら、ロンドンを拠点に世界に羽ばたいた異色のバロック作曲家。オペラ、オラトリオ、管弦楽組曲と幅広いジャンルで傑作を生み出しました。

ヘンデルってどんな作曲家?

1685年2月23日、ドイツのハレ生まれ。同じ年にバッハも生まれており、二人はほぼ同世代のバロック作曲家として並び称されます。ただし二人の人生は対照的です。バッハが生涯ドイツを出ずに教会音楽を中心に作曲したのに対し、ヘンデルはイタリアで学び、ロンドンに渡り、1727年にイギリス国籍を取得してロンドンの音楽界を席巻しました。

ロンドンでヘンデルは主にイタリア語のオペラを書いていましたが、やがてオペラの興行が行き詰まります。そこで英語の**オラトリオ(聖書の物語を語る大規模な声楽曲)**に軸足を移した判断が、後に「メサイア」という歴史的傑作を生みました。

晩年は視力をほぼ失いながらも演奏・指揮を続け、1759年4月14日にロンドンで亡くなりました。74歳。イギリスではウェストミンスター寺院に埋葬された、国民的な作曲家として今も敬われています。

子どもに聴かせたい代表曲

1. 「メサイア」より「ハレルヤ」合唱(1742年初演)

ヘンデルが1741年に約24日間という驚くべき短期間で作曲した大作オラトリオ「メサイア」。全曲は2〜3時間に及びますが、第2部の終わりに登場する**「ハレルヤ(Hallelujah)」合唱**は、単体でも圧倒的な存在感を放ちます。

初演は1742年4月13日、アイルランドのダブリン。慈善コンサートとして開かれ、700人以上が詰めかける大成功でした。後にロンドンで演奏された際の伝説として、国王ジョージ2世が「ハレルヤ」のときに立ち上がり、つられて全聴衆が起立したという話が伝わっています(史実かどうかは確かめられていません)。今も演奏会でこの合唱の際に聴衆が起立する慣習が続いており、子どもへの話題になります。

子どもには「合唱でみんなが同じ言葉を力強く歌うとこんなにすごくなるんだよ」と事前に伝えると、合唱という音楽形式の魅力が伝わりやすい。

2. 水上の音楽(1717年初演)

テムズ川に浮かべた船の上で演奏された音楽——このシチュエーションだけで子どもの想像力が広がります。1717年7月17日、国王ジョージ1世がテムズ川を船で移動する際に、別の船に乗った約50名の演奏家たちが3組曲・計22の楽章からなる音楽を演奏しました。国王はあまりに気に入り、往路・復路と繰り返し演奏させたという記録が残っています。

3組曲(ヘ長調・ニ長調・ト長調)の中でも「ホーンパイプ」と呼ばれる活発な舞曲は、子どもがリズムに乗って自然と体が動くテンポと明快さ。「王様が船に乗って、別の船からこの音楽が流れてきた」というシーンを想像しながら聴くと、バロック時代の音楽の使われ方が鮮やかに浮かびます。

3. 王宮の花火の音楽(1749年初演)

戦争(オーストリア継承戦争)の終結を祝う野外花火大会のために書かれた管弦楽曲。国王ジョージ2世から弦楽器を使わず管楽器と打楽器だけで演奏するよう指定されましたが、ヘンデルは弦楽器を加えた版も準備しました。

トランペットとホルンが輝かしく鳴り響くファンファーレ的な明快さは、子どもにとってとっつきやすい。「花火大会に合わせて演奏するために作られた曲だよ」と話せば、夏の花火大会と結びつけて聴いてくれます。

おすすめの聴かせ方

年齢別の入り口

  • 3〜5歳: 水上の音楽のホーンパイプから。「王様の船だよ」と一言添えるだけで、想像力で楽しんでくれます。
  • 6〜8歳: 「ハレルヤ」合唱。「みんなが立ち上がる曲だよ」という前置きが効果的。できれば演奏会映像(聴衆が起立する場面)を一緒に見ると、音楽の力が視覚的に伝わります。
  • 小学校高学年以降: 「メサイア」全曲(または短縮版)に挑戦。聖書の物語を音楽で語る「オラトリオ」という形式の体験として。

バロック音楽の面白さを伝える

ヘンデルの時代(バロック、おおむね1600年代〜1750年代)には、演奏の場は今の演奏会ホールより、王宮・教会・野外が中心でした。水上の音楽のように「国王のお出かけのBGM」、花火の音楽のように「勝利の祝賀」——音楽がその場面のために作られていた、という事実は、子どもの「音楽って何のためにあるの?」への答えになります。

関連リンク

  • ヘンデルと同じ年(1685年)に生まれたバロックの巨匠バッハについては /articles/bach-for-kids で。二人を比べながら聴くと面白さが倍増します。
  • バロック時代の音楽全体の流れは /articles/baroque-music-for-kids で整理しています。
  • ヘンデルの生演奏が聴けるコンサートは /events で「バロック」「合唱」のタグから探せます。
  • ヘンデル作品を演奏する合唱団や古楽アンサンブルは /performers でどうぞ。

よくある質問

Q. 「ハレルヤ」を演奏会で聴くとき、本当に立ち上がるべきですか? A. 立つかどうかは会場・演奏団体の雰囲気に合わせてください。この慣習は今も多くの演奏会で続いており、子どもには「昔から続く特別な習慣だよ」と伝えると、音楽の歴史の重みが伝わります。

Q. ヘンデルはドイツ人ですか、イギリス人ですか? A. どちらとも言えます。1685年にドイツのハレで生まれましたが、1712年からロンドンに定住し、1727年にイギリス国籍を取得しました。英語のオラトリオを多く書き、イギリス王室にも仕えた、ドイツ生まれのイギリス作曲家です。

Q. ヘンデルとバッハは知り合いだったのですか? A. 同じ1685年にドイツで生まれ、ほぼ同じ時代を生きましたが、二人が直接会ったという確実な記録はありません。ヘンデルがバッハに会いに行こうとしたが実現しなかったという話が伝わっています。

Q. 「メサイア」はクリスマスの曲ですか? A. 一般にクリスマスシーズンに演奏されることが多いですが、内容はイエス・キリストの誕生から復活・再臨までを扱った聖典テキストによるオラトリオです。「ハレルヤ」自体はキリストの復活を讃える第2部の曲で、クリスマスに限った曲ではありません。

Q. 水上の音楽は何分くらいありますか? A. 3組曲で合計22楽章あり、全曲演奏すると約50分。コンサートでは抜粋版が多く使われます。

近くの公演を探す

都道府県別に、子ども向け・親子向けの音楽公演をまとめています。

地域から公演を探す →

関連記事